年をとるということを考える



いつの頃からだろうか、年齢と言うものに対しての憧れはこの国からは消えてしまった。

私が子供の頃は、みんな早く大人になって社会に出て、一人前と呼ばれたい、そんな気風が当たり前で父親や母親に憧れ、尊敬を持ち、「お父さん」「あ母さん」と言うポジションに成りたいと思っていた。

ところが昨今は、結婚は家庭と言うより恋人関係の延長線上であって、特に女性は「妻」に成るところまでは考えていても、その後の「母親」と言うところまでは意識が無いようだ。

基本的に昔からそうでは有るが、このところドンドン加速的に進んでいく、あらゆる世界の低年齢化は、20代で「オヤジ」「オバン」徒さえ称されるに至っている。

ほんのちょっと前までそんなものは子供のたわ言であった筈が、今ではそれが社会の常識と言わんばかりにまかり通った考えとして定着しつつある。

今の人生は平均寿命80年と言われる世の中、若い時だけが輝いていて良いのだろうか?

歳をとるとそれだけでドンドン人生は詰まらなくなるのだろうか?

少なくとも私は違う。
10代で見えなかった事が20代で見えてきた。20代で経験できない事が30代で出来るはずだ。

物の良し悪しが解る様になった。
焦る事無く時間が過ぎるのを楽しむ事が出来るようになった。

勢いだけで楽しいものは、時と共に必ず薄れていく。

歳を重ねることに楽しみを持ち、今日より明日を楽しめない人生など、まさに生き地獄と言っても過言ではないかもしれない。

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